キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
31 EMS突然変異実験 ⑥添加剤 肥料・ホルモン剤
1 突然変異処理手順
⑥ 添加剤 肥料・ホルモン剤について解説します。
実験を始めると早く結果を求めたい欲望が多くなり早く活着させるか課題として発生します。
普通に考えると、突然変異試験にキリンソウを使った場合、切り苗を使うのがほとんどと思います。
活着で大事な事は
① 枯死を防ぐ
② 根を早く出させ活着させる
③ 培地に移し光合成をさせ、自立生育できる環境に移す
項目別に検討すると
① 枯死を防ぐは、前号で説明しましたので省きます。
最も重要な項目は「② 根を早く出させ活着させる」です。
根を早く出させるには、いろいろな方法が有り、キリンソウ類・セダム類などのCAM植物は、一般の植物と異なり水やりにも工夫が必要となります。
方法として
1 水をやる :水耕栽培する
2 肥料を与えて代謝を活性化する:液体肥料
3 発根ホルモン剤を投与する :メネデール、ルートン(発根ホルモン剤)
4 代謝の活性化堀門剤を投与する:ジベレリン
その他のホルモン剤としてホルクロフェニュロン(フルメット液剤)が成長点の活性に使われますが、化学変異剤と併用するとどちらの効果で成長点が変異したか不明となり、判定に活性剤の効果が消滅する最低半年間は無駄となるので使用しないほうが良いと判断している。
参考資料
・セダム 挿し芽の活着性への肥料と成長ホルモンの影響試験を添付する。
・キリンソウ 発根ホルモン剤を使用した発根試験資料を添付する。
試験の結果より初期育成に必要な成育促進剤は
水かメネデールが安全で有効であった。
キリンソウの初期活着には、ホルモン剤よりも生育に必要な基本の「水・肥料」で良いと言える。
・セダム 挿し芽の活着性への肥料と成長ホルモンの影響試験
・キリンソウ:発根ホルモン剤を使用した発根試験
当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。
試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。
次回は
⑦ 育苗培地について解説します。
技術顧問 山下律正
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