キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
変態する植物 イイジマ2 ツルマンネングサ ラセン巻はなぜ起きる

イイジマ2 (ツルマンネングサ)
イイジマ2は原種ツルマンネングサに比べ特異的な特徴を示す事が判った。
1 伸長する新芽及び側芽から形成される葉形がラセン巻を開花期付近まで示す。
2 葉形は成長に従い、Ⅴ型から1型に変化する。
3 草姿は直立性を示す。
4 耐旱性がツルマンネングサに比べ高い。
特長解説
1らせん巻について
ツルマンネングサは芽の伸長に伴うラセン巻は発生しない。突然変異のイイジマ2は芽の伸長が成長期から開花付近までらせん状になる。
イイジマ2のラセン巻に規則性が有るか調査した。
イイジマ2生育株を使って調査
調査結果
イイジマ2のラセン巻には規則性が無い事が判った。
ラセン巻になる原因は、
モデル植物シロイヌナズナを用いた研究により、生体ポリマーである微小管の機能が損なわれると植物体の細長い組織がねじれることが知られている。チューブリンは微小管ポリマーの構成因子であることから、チューブリンの変異により根、茎、花弁などの伸長する組織が一定方向(右または左巻きのどちらか)にねじれる。右巻きか左巻きのどちらにねじれるのかは、チューブリン変異の種類によって決まります。花弁が右巻きにねじれると、花の上方向から見て反時計回りに花弁が配置されているように見えますし、左巻きにねじれると、時計回りに配置されます。一方で、イイジマ2では方向性が決まっていない(右巻きと左巻きがほぼランダムに出現する)変異も知られており、これらの方向性を持たない変異は微小管(チューブリン)とは関係ない。したがって、その原因が微小管ではないと言える。
橋本 隆(奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科) 捻れる花質問回答より転載
日本芝草学会2018年 発表資料転載
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技術顧問 山下 律正