キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
常緑性キリンソウ「四季彩4」 種苗登録認定 特性解説 第2回 土壌が飛散しても負けない緑化植物「四季彩キリンソウ」
酷暑・防風・豪雨で土壌が飛散しても負けない緑化植物「四季彩キリンソウ」
土壌飛散を想定し、周囲の土壌を取り除いた四季彩キリンソウは1年4ケ月成長を続けています。
四季彩4 キリンソウは令和7年7月品種登録31067号されました。
開発はタケシマキリンソウ原種から化学突然変異技術で2013年に開発された新品種です。
耐候性は、2024年3月27日から2025年7月24日1年4ヵ月経過しても成長を続ける生命力があります。
その外観特性は、タケシマキリンソウの強健さに濃緑色の葉色を加えた緑の冴える品種です。
優れた耐候性を示し、「植物は土壌が無ければ生育できない」常識を覆す「根が露出状態で生育できる」超耐候性を備えています。
四季彩4 キリンソウの「根が露出状態で生育できる」超耐候性の実力紹介
株元周辺の土壌が飛散した場合を想定し、根周囲の土壌をふるい落とししても生育できるかの試験を実施
2024年3月27日
土壌をふるい落とした四季彩4 キリンソウをコンクリート上に移設し試験開始
四季彩4の根は主根が四方に伸び細根が土壌を包む混みように成長している事から
根の伸長範囲の土壌をしっかり閉じ込め土壌の分離は難しく自然災害での土壌分離は少ない


2025年5月3日緑化トレーに移設
暴露から1年経過後に緑化トレーに移設
新芽の成長は地植えに比べ遅れているが芽数はほぼ同数発生している。
根系周囲からの端部の土壌の流出に限定され、雨水のみで自立生長している。
2025年7月24日
暴露から1年4カ月経過
経過状況まとめ
開花終了、開花数は非常に少ない。草丈は15cm以内と地植えの半分程度、
葉色は緑黄色で地植えに比べ黄色がかる。これは水分・栄養分等の過少が原因と考えられるが
緑化に使用する耐候性植物としては酷暑、低降水、低草丈、低開花、無肥料に耐え忍ぶ良い形態を示している。
自然界に自生するキリンソウの状況
四季彩キリンソウは、原種のタケシマキリンソウが沿岸部の岩場に生息し、岩の隙間などの根は張れる場所があれば生育が可能である。
土壌が無ければ生育できない野菜や観葉植物と異なる特異な生育をする。このため、キリンソウに対する土壌の作用は成体の姿勢維持のための根張りと水分・養分の保持として寄与し、土壌厚さの必要性は露地植栽や容器生産では草姿勢の維持に必要な厚さが有れば健全な生育が可能と推察できる。
写真 新潟沿岸部岩場に自生しているキリンソウ
種苗登録者
屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
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