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壁面緑化設計ノート屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
ヘデラ緑化マニュアル 9章:3<建築設計担当者向け ヘデラ壁面緑化 専門管理Q&A>
ヘデラ(アイビー)は国内外で最も実績の多い壁面緑化植物の一つですが、近年の酷暑化や建築物の高性能化に伴い、従来の「丈夫だから放任でよい」という考え方では長期安定緑化は難しくなっています。設計段階から維持管理まで含めた視点が重要です。
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目次
1:ヘデラによる壁面緑化は、一般的なパネル式壁面緑化と何が違いますか?
2:壁面緑化用のワイヤーやメッシュを建物に取り付ける際、ヘデラの自重や風荷重はどの程度見込めばよいですか?
3:設計段階で最も重要なポイントは何ですか?
4:外壁へ直接這わせる設計は問題がありますか?
5:RC壁面へのアンカー施工時の注意点は?
6:ヘデラ壁面緑化で想定すべき荷重は?
7:壁面温度低減効果はありますか?
8:南面・西面で設計上注意する点は?
9:建築設計者が見落としやすい維持管理上の問題は?
10:建築設計者が見落としやすい維持管理上の問題は?
11:ヘデラ壁面緑化に自動灌水は必要ですか?
12:壁面緑化としてヘデラを採用するメリットは?
13:壁面ヘデラ緑化で推奨される品種特性は何が重要ですか?
14:設計者向けまとめ
※知見・知識に基づき作成していますが、参照・実施にあたっては情報・環境・使用材料・品種・時期等により同一結果とならない場合があります。
<技術資料> ヘデラ緑化マニュアル 目次
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1:ヘデラによる壁面緑化は、一般的なパネル式壁面緑化と何が違いますか?
最大の違いは、
「低コストで植物が成長し続ける緑化」か、「高コストで完成品として異常性の高い品を設置する緑化」です。
パネル式は施工直後から完成景観が得られます。一方
ヘデラ緑化は
- 年々被覆率が向上
- 自己更新能力が高い
- 長寿命
という特徴があります。
一方で、
- 剪定管理
- 支持構造管理
が必要になります。
2:壁面緑化用のワイヤーやメッシュを建物に取り付ける際、ヘデラの自重や風荷重はどの程度見込めばよいですか?
設計上は植物重量よりも、風圧荷重を重視します。
目安として
- 葉が密生した状態 の重量
- 降雨後の含水状態
- 台風時の風の正・負荷重
を考慮します。
一般には植物重量より数倍以上の風荷重が支配的になります。
高層建築では構造設計者との協議が必要です。
3:設計段階で最も重要なポイントは何ですか?
最重要事項は
根域容量の確保です。
- 植栽基盤不足
- 土壌量不足
- 排水不良
が生育不良の原因となります。
植物が見える壁面よりも、植物が見えない地下部分の設計・管理が重要です。
4:外壁へ直接這わせる設計は問題がありますか?
近年の建築では推奨されません。
理由は
- 点検困難
- 外壁改修困難
- 防水確認困難
- 湿気滞留
設計上は
壁面から50~150mm程度離した支持構造
が推奨されます。
5:RC壁面へのアンカー施工時の注意点は?
確認事項は
- 鉄筋位置
- 防水層位置
- かぶり厚
- コンクリート強度
特に防水層貫通は漏水事故の原因となります。
配筋探査後の施工が望まれます。
6:ヘデラ壁面緑化で想定すべき荷重は?
以下を考慮します。
固定荷重
- ワイヤー
- メッシュ
- 支持金物
植物荷重
- 葉
- 茎
- 雨水保持重量
変動荷重
- 風圧
- 積雪
特に高層建築では風荷重が支配要因になります。
7:壁面温度低減効果はありますか?
あります。
主な効果は
- 日射遮蔽
- 蒸散冷却
夏季には
- 壁面温度低減
- 建物への熱侵入抑制
が期待できます。
特に西日対策として有効です。
8:南面・西面で設計上注意する点は?
最も重要なのは
高温乾燥対策です。
近年の都市部では
- 壁面温度60~70℃
- 金物温度70℃超
となる事例があります。
対策として
- 灌水設備
- 花壇土壌ボリューム(深さ)増大、根域拡大
- 耐暑性品種
が必要です。
9:建築設計者が見落としやすい維持管理上の問題は?
最も多いのは
剪定作業スペース不足
管理時には
- 高所作業車
- ゴンドラ
- 足場
が必要になる場合があります。
設計段階で管理動線を確保すべきです。
10:建築設計者が見落としやすい維持管理上の問題は?
風通しの確保です。
密植や通風不足は
- 炭疽病
- 葉枯病
- ハダニ
の発生原因になります。
壁面と植物の離隔確保が有効です。
<技術資料> ヘデラ緑化マニュアル 目次
11:ヘデラ壁面緑化に自動灌水は必要ですか?
場所によります。
地植え
活着後は不要な場合が多い。
屋上・人工地盤
必要です。
南面・西面
必須です。
近年の酷暑環境では自動灌水設備が安全です。
12:壁面緑化としてヘデラを採用するメリットは?
主なメリットは
景観性
常緑で年間を通じて緑を維持。
環境性能
遮熱・ヒートアイランド抑制。
経済性
長寿命で更新頻度が少ない。
実績
国内外で施工事例が非常に多い。
13:壁面ヘデラ緑化で推奨される品種特性は何が重要ですか?
近年は以下が重要です。
①耐暑性
都市酷暑に対応できること。
②耐乾燥性
灌水停止リスクへの対応。
③分枝性
均一な壁面被覆。
④耐病性
管理コスト低減。
⑤耐風性
高層建築での安定性。
14:設計者向けまとめ
ヘデラ壁面緑化の成功割合は、
植物選定 30%
支持構造設計 20%
根域設計 30%
維持管理計画 20%
で決まると言っても過言ではありません。
特に近年の都市部では、単なる「緑化デザイン」ではなく、
- 夏季の壁面高温対策
- 長期維持管理計画
- 支持構造の耐久設計
- 灌水設備の信頼性
まで含めて設計することが、10年後・20年後も健全な壁面緑化を維持するための重要なポイントです。建築設計者は「植物を植える設計」ではなく、「植物が生き続ける環境を設計する」という視点を持つことが求められます。
<技術資料> ヘデラ緑化マニュアル 目次


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