キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
32 EMS突然変異実験 ⑦ 育苗培土
1 突然変異処理手順
⑦ 育苗培土について解説します。
突然変異処理が終了後、育苗に入ります。
育苗には、水耕栽培と培地・培土に挿し木をして育苗する2方式が有ります。
この節ではタケシマキリンソウの培地・培土での育苗について説明します。
培地・培土の表現は培土に統一して解説します。
培土は数多くの種類が市販されており
挿し芽土、サボテン用培土、育苗培土、パーライト、その他多種存在します。
悪いものは有りません。お好みにより手配して頂ければ良いと思いますが、
注意が有ります。
幼枝、貴重な変異枝を培養する場合、植物に体力が無い事が多く、既存の培土では枯損する事が有ります。この場合培土を殺菌して密閉容器=テラリウム栽培する場合が有ります。この時は通気性の高い培土で栽培されることを推薦します。
テラリウム栽培
パーライトを密閉ポットに入れ挿し芽する
殺菌水(低倍率液肥)を底面にたまる程度入れ密閉します
根が出るまで半日陰に置きます
殺菌がしっかりできている場合は、内部温度が30℃程度まではそのまま育苗します。
側面に細根がしっかり繁茂したら、育苗ポットに移植します。
テラリウム栽培状況
挿し芽先までパーライトが水を吸い上げる高さまで培養水を入れる


簡易テラリウム栽培
注意:加湿を忘れない事


半日陰にて育苗します


培土の種類
注意:保水力が高いため、高温になる場所は避ける


軽量培土 手作り配合:
鹿沼土:黒土:バーク:ポートモス=5:3:1:1


鹿沼土主体培土手作り配合:
鹿沼土:黒土:バーク:ポートモス=6:2:1:1


パーライト単体
微粉末は水洗除去して使用


パーライト主体培土 手作り配合:
パーライト:挿し芽土市販品=5:5


改良土主体培土
市販品


添付資料
育成材料としてボラ土と黒曜石パーライト(ビーナスライト7号)検討試験






当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。
試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。
次回は
育苗期間中に肥料を与えると肥料の種類・濃度・季節・乾湿程度を含めた肥料に起因する効果で草姿が変化して突然変異の判断が難しくなる。
これを防ぐために、培土に人工ゼオライトを添加しておくと肥料の維持効果が発揮され肥料流亡が少なくなるので管理が簡単になる。
この効果を測定した結果を添付するので参考にしてください。
技術顧問 山下律正
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