キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
常緑性のタケシマキリンソウが冬枯れたように見える現象を解説
タケシマキリンソウが冬枯れた?
常緑性のタケシマキリンソウが冬枯れたように見える現象を解説
2025年冬にタケシマキリンソウに代表される常緑性のキリンソウを使い緑化した現場が、
茶色の枯れたように見える現象を見うけませんか?
実は枯れていないのですが、枯れ枝がドライフラワー状に残っているのです。
「いつも緑」を売り言葉に導入されている常緑性キリンソウ種になぜこんな現象が起きるのかを解説します。
理由
タケシマキリンソウを代表とする灌水設備が無い屋上緑化に植栽された植物は、
地植え植物と異なり、高温・酷暑・少雨が発生すると、生き延びる為の生体保護機能が作用したのが原因の一つとなりました。
なにが起きたか
1昨年の様に猛暑・少雨が続くと耐性ホルモンの植物ホルモン「アブシジン酸」が多く発生し植物体に影響を出します。
2植物ホルモン「アブシジン酸」は気孔を閉じ水分の移動抑え乾燥に耐える働きと、新芽の成長を抑える働きがあります。
3タケシマキリンソウ種などの本来環境耐性の高く肉厚の葉を持つ植物では、アブシジン酸の作用は根よりの水分供給が極端に減少した状態になると、蒸散を防ぐために気孔を閉じ乾燥に耐えるように作用します。酷暑の日照に晒され乾燥が進む中で水分供給が減少すると、生きた緑葉の状態でドライフラワー化が進みます。
4秋に成長を開始する新芽もアブシジン酸の作用で成長を抑えられた状態となる。
5そのため冬季の草姿は、新芽の発生量は変わらないが生育が遅れた状態となり、枯れ葉は落葉せず固く枝に付き全体が
ドライフラワー状で残る現象が発生したと考えられます。
結果
タケシマキリンソウ種は他の品種が枯死する気象条件を生き延びた半面、耐性生育の影響が枝葉や新芽に傷跡を残しました。
新芽は成長が遅れ伸びず、固くなった枯れ枝だけが目立つ状態が発生した。
これは年毎に変化する気候変動にキリンソウが耐えた結果であり、春に順当な気候となれば正常に成長すると推察されます。
対策
1自然現象なのでそのまま春を待つ
2枯れ枝を刈り取る
写真で検証
2023年1月31日と2025年1月29日の比較写真で冬の草姿に気候がどの程度影響するか検証する
2023年1月31日
新芽の成長は平年並み、枯れ葉も目立たない。


2025年1月29日
新芽の成長は遅い、枯れ葉が目立つ。
新芽は平年並みの量が有る、枯れ葉は茎にドライフラワー状に残っている。
屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下律正
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