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キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正

311 屋上緑化に迫る気象の変化  農林水産庁も始めた 高温対策栽培体系への転換

屋上緑化に迫る気象の変化

農林水産庁も始めた 高温対策栽培体系への転換

1背景

2024年夏の猛暑は9月になっても継続し異常気象と呼ぶにふさわしい気候になっている。

異常気象は今年だけではなく統計的には3年継続していると気象庁は発表している。

異常気象は地球全土に及び、特に日本だけでなく南北半球の温帯と呼ばれている気候帯に大きな変化を及ぼし、

1970年頃より顕著に表れ世界的に記録が毎年塗り替えている。

気象庁 気候変動監視レポート 第1章 2023 年の気候 1.1 世界の天候・異常気象

 

中国気象局 天気予報 08月14日14時10分頃、重慶市では「最高気温44.6℃」を記録。これは観測史上最高
で、以下のようにニュースにもなりました(以下スクリーンショット)

地球温暖化が原因言われているが日本においても体感として実感している暴走を始めた

地球環境崩壊にブレーキをかけて進行を止める事ができるか難しい局面にある。

 

2農業の崩壊

災害級の夏の繰り返しに自然界の中でこれから顕著に影響が現れる自然界の

植物種は品種衰退・絶滅が心配され、生育適地の遷移と長い年月をかけて確保した

自生地が熱波により生育できない状態が迫っている。

植物が自然に適地に移動できるのは種子の移動範囲と生態系コロニー形成年月で表す事ができるが、

移動手段は風散、鳥糞による方法が考えられるが、年数キロが可能と思われる。

さらに生態系コロニーを形成し定着するには十年単位が必要となる。

しかし温暖化の速度はより早く植物の遷移をしのぎ、追いつけない植物は絶滅に危機を迎える。

政府も食料安全保障の対策が始まり、地球規模で温暖化への脅威に備えて対策が進められている。

農林水産庁 高温対策栽培体系への転換支援について

「令和5年は前例のない記録的な猛暑に見舞われたことから、農作物の品質低下や収量減少など農業経営に大きな影響が発生しました。地球温暖化が進む中で、このような異常高温を含めた極端な気象現象は、今後も継続的に発生することが想定され、気候変動に適応した安定的な・・・・・このためには、高温耐性品種の導入、・・・・実情に合わせた新品種や新技術の導入実証を支援し、高温環境に適応した栽培体系への転換を図ります。」の対策を開始した。

制定 令和5年12月1日付け5農産第3229号 農林水産省農産局長通知

長らく日本の温度帯は温帯と言われてきたが、2024年9月8日の世界の気温を見ると、

東京34℃ 名古屋36℃ 大阪36℃ 海外ではホノルル30℃ ジャッカルタ33℃

カイロ39℃であり世界の気温と比較すると熱帯地方の気温に近づいている。

我々が利用している全ての植物を5度以上の高温耐性を持たさなければ今後生育できなくなるかもしてない。

普段目にする風景も様変わりをしてくる。檜・杉・白樺の野山はヤシ・竹の高温種に変わり、冬の草花が減少する。

酷暑と豪雨のモンスーン気候に近くなってくる。

tenki

tenki.jp  2024/09/09より

 

図-1 国土交通省 気象庁 気候変動監視レポート2023より

気象庁 気候変動監視レポート2023 678月日本の平均気温推移

図I.1 2023 年 6月~8月 の5日移動平均した地域平 均気温平年差の推移(℃) 赤字の〇数字と値は、各月 及び旬における 1946 年以 降の平均気温が高い方から の順位と平年差を表す(上 位3位まで)

北日本で3.9℃ 東日本で2.1℃ 最高気温は北日本で5.3℃ 東日本で2.6℃上昇している。

注意して数値を見なければならないのはこの数値は「5日移動平均値」で突発値ではない

 

この気温上昇を日本の気候変動2020 文部科学省 気象庁資料「2℃/4℃上昇シナリオにより予測される21世紀末の日本」

を参考にすると、すでに将来は4℃上昇ラインに達してきており年平均気温は4.5℃上昇している。

代表的な都市より名古屋でも(図-2)名古屋の年間猛暑日日数、年間真夏日日数を見ても増加傾向にある。

図-2

気象庁> 各種データ・資料 > 地球環境・気候 > ヒートアイランド現象 > 大都市における猛暑日日数の長期変化傾向

さらに、植物の育成に重要な降雨も変動が大きくなっている。

2023年東京では19日連続の無降雨記録があり、植物の育成には温度と共に降雨も気候変動が影響を及ぼしている。(図-3)

都市で酷暑と降雨の影響を受ける緑化箇所は都市屋上緑化ではないだろうか。

施工量が多いセダム植物薄層緑化が最も気候変動を受ける場所と言える。

図-3

3都市緑化への警告

都市緑化で利用されている屋上緑化システムは、屋上の灼熱・低温・強風・無降雨・豪雨などの

自然環境に打ち勝つ植物候補としてサボテンの性質を持つセダム類各種が使用している。

屋上緑化が始まった2000年当時は、真夏日(30℃)が30日程度、週1回の自然降雨環境で

健全に育つ事を想定した緑化で有ったが、時代が移り2024年は名古屋市の猛暑日(35℃以上)36日、

連続日数26日と気温として5度上昇が発生しセダム植物の耐性を越えた環境になりつつある。

屋上緑化業界もこの問題を深刻に対策に取り組まなければならない時が来た。

緑化品質は屋上緑化がスタートした2000年から緑化システムの構造に各社独自技術を競いシステムの優秀さを競ってきたが、

異常気象の発生頻度が高まりシステムの品質では克服できない領域に迫っている。

すでに設置された屋上緑化は令和3年には578万㎡に達し、令和3年屋上緑化の55%はセダム緑化で施工されている。

気温上昇と異常気象を考慮するとセダム品種の耐候性も限界に達している場所が発生しており、

既存緑化のメンテナンスも含めて屋上緑化植物に高温耐性植物の導入を考える時期に至っているのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

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