キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
11化学突然変異育種 実験講座”11 突然変異で変化するキリンソウの姿
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キリンソウは常緑性だけでない草姿も多種存在する
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突然変異処理すると、色の変化の次に変化が生じるのが草姿です。
タケシマキリンソウは基本直立立性で経年化部では、株元からの枝が木質化して樹木の幹状となり幹からあるいは周辺から新芽が発生する。
木質化した幹も数年経過すると枯死する。知る限りでは基本的にタケシマキリンソウ及びキリンソウ種は年輪を重ねる幹は発見できていない。
キリンソウの草姿は冬至芽が秋・翌春に成長を始め初夏に開花し冬落葉枯死の繰り返しである。タケシマキリンソウでは商品名に「常緑キリンソウ」と付けられている商品が有るが常緑樹のように春芽吹いた葉が翌年も茂っているのではなく、秋の新芽成長と落葉枯死が秋後半に入れ替わり外見上緑が残っている現象を示しており、本説明では混同を避けるため冬季に新芽が成長している種を「常緑性」と表現する。
草姿の基準は農林水産省 種苗登録で示されています
キリンソウ属では、特に指示がない限り、定植翌年の着らい期に調査を行う審査基準が有り、図のように分類されています。
この草姿を市販種「常緑キリンソウ」と突然変異育種 品種と比べてみると
奥列 ⑥開張 ⑦開張
前列 ①直立 ②開張 ③開張 ④開張 ⑤ほふく ⑤直立
四季彩7 常緑キリンソウ
奥列 ⑥開張:突然変異種
前列 ①直立:突然変異種 ②開張:突然変異種 ③開張:突然変異種
奥列 ⑥開張:突然変異種 ⑦開張:突然変異種
前列 ④開張:突然変異種 ⑤ほふく:四季彩7 ⑤直立:常緑キリンソウ
タケシマキリンソウに突然変異処理を行うと、⑤直立:常緑キリンソウに比べ
開張種②③④⑥⑦が多く出現する。さらに⑤ほふくの発生も有り、比べてみると
変異の仕方が実感できる。
草姿の要因は、茎の太さと長さ、密度が関係し、
①直立:突然変異種 茎太さ:6mm
④開張:突然変異種 茎太さ:4mm
⑤ほふく:四季彩7 茎太さ:4mm
⑤直立:常緑キリンソウ 茎太さ:5mm
茎直径で見ると、
立性型 :大型種中心 6mm~10mm
開張型 :中型種 4mm付近
ほふく型 :中型種 茎の特性が曲成長 4mm
直立種、開張種の倒れは、茎成長による茎が支えきれなくなり倒れ、花序等の重みで倒れ等の後発条件で倒れている。
ちはい型は、茎の曲がり成長するため当初から直立が難しい。
当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。
試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。
次回は、キリンソウ緑化で6月以降に発生する「茎の倒れ」について
化学突然変異育種 実験講座”12 キリンソウ緑化の欠点「茎の倒れ」 を
突然変異品種で解決する実例を解説する
東京都市大学 総合研究所 客員研究員 山下律正
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