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キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正

酒を電気分解で促進醸造する技術 第2回 97年前の忘れ去られた技術 合成清酒の歴史

酒の電気分解は大学の先輩から受け継いだ話を実践した事であり、自慢の事ではないが実践して確かめ、納得し先人の知恵を体験した。

さて、現在に戻り酒の電気分解に関してある報道に接した、10年以上前にアメリカの会社が電気分解法でワインの熟成方法特許を取得したと報道されていた。インターネット検索すると日本では電気分解を利用し作ったテキーラの発売も検索出来た。この技術も利用され始めた事に感慨の思いである。

酒は酒造法で作る事は禁じられているが、製品を買いこれを自分で醸造熟成する事は自宅にワインセラーをお持ちの方も有り同様にアルコールを作る行為ではないので、法に該当しない思いで行っている。

私が先輩より受け継いだ昭和初期に花開いた酒の電気分解による醸造技術の歴史をさらに詳しく、本当に存在したのかを国会図書館で調べた見つける事が出来た。

それは日本醸造協會が昭和4年12月に発行した雑誌に掲載された研究成果であった。

昭和初期の研究ではあるが、この内容は実に綿密に研究されており現在の学会論文と遜色ない。この内容をトレースするだけで新しい種類の酒類の分野が確立できると思えるほど実践的な内容で有った。

この記事を元に、実験成果も加え清酒を電気分解法にて醸造する合成酒作成法について紹介する。

酒の歴史は古くからあり、最初は原料である穀類の種類を変え、酵母の種類と醸造方法を変える組合せ法から出発し各地で独特の酒が定着していった。

合成法は、蒸留アルコールの精製が完成する頃より進められたが、焼酎以上に高濃度のアルコールが製造できるようになると開発が進み各種の方法が試行錯誤された。

初期の技術を紹介すると

大正7年 白米及びシャガイモでんぷんを硫酸で糖化し、中和ろ過しアルコールに調味液を合わせ製造する。

大正10年 アラニンもしくはアニリンを含有するたんぱく質の分解物を液糖に加え酵母で発酵させ、さらにアルコール調味料を加えて製造する

大正14年 焼き酒かすにアルコール、酵母を含む可溶性物質の濃縮物に適量の調味料を加え製造

大正14年 たんぱく質を少し含む液糖に有機酸を添加して発酵させ、発酵の旺盛期を経過後過を行い、

タンパク質及び添加物質を加え、さらに発酵させ含まれる窒素化合物の加水分解を制限する事を特徴とした、発酵液に適量のアルコール及び糖分、有機酸を添加して熟成させる。

昭和2年4琥珀酸もしくはフマール酸をあるいは両者を加えた中に、グルタミン酸もしくはロイシン又は両者を水に混合しこれにアルコール、酒粕を加え熟成して作る

合成酒の作り方は、昭和初期は調味成分と酵母あるいは酒粕を混和した混合物として製造されていた。

合成酒の作り方が確立したのは、昭和4年 各種の香味物質をでんぷん液+アルコールに添加し一度火入れを行い、30度程度まで冷まし清酒用酵母を添加し1月以上後発酵させて作る。

合成酒の歴史は、アルコールの蒸留技術の発展に従いその英知と探求心の結果生まれてきた。

昭和4年ごろを境に調合合成酒から、電気分解法を取り入れた合成酒製造法の研究成果が発表され始めてきた。

電気分解法による合成酒製造法については第3回から解説する。

参考資料:日本醸造協會誌 第二十四年

 

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