キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
中国の緑化企業支援 第1回 支援の始まり
深圳市桃州園林球保科技有限公司 付総経理より面談希望の電話を受けた事から中華人民共和国 深圳地区の緑化事業への顧問が始まる。屋上緑化について日本の現状についてから始まり中国の現状と課題について、彼との話は通訳を介しての面談で有ったが、誠実な印象と中国深圳地区の緑化さらに盛んにしたい熱意が伝わってきた。
深圳は香港に隣接する中国第3位の商工業都市で香港と併せて一大商業圏を築いている。
会社は深圳に有り主にホテル、マンションの外構緑化と屋上緑化を専業として活躍しており従業員は50人程度と中国では小規模企業に属する。


面談の話題は屋上緑化に集中し日本に緑化スタイルと緑化システムについて関心を持ち私も概要を説明する。
中国の屋上緑化を中心とした緑化事情は上海海纳迩建筑科技有限公司 上海市建築材料企業協会建築緑化部会会長 余露氏と
親交がるので理解していた。上海で多くの実績がある屋上緑化規格を知っていたので話はお互いによく理解でき、
緑化システムと使用する植物についてもお互いに関心の高い事が判る。
中国で屋上緑化に使用される緑化システムは、上海海納迩建築科技有限公司の緑化システムが主として使用される。
現地で敷きならべ、潅水装置を接続し、培土を入れ植物を植栽する方式で躯体下地にもよるが防根シートはあまり使われない。
この方式では緑化植栽企業のコスト競争はおのずと限界があるが、
中国の中央集権下では指定されたシステムを使う必要があり変更はできないが、
緑化植物と中国では入手しにくい培土の現地生産を武器に市場開拓を進めるのが良いのではないかと
アドバイスを行い付氏も同感であった。中国の緑化は日本以上に見た目の景観を重視し、
他にない景観提案には飛びつく傾向にある。深圳地区での植物選択は気候を考えれば屋上緑化の高温と日照を考慮する必要があり、
おのずとセダム系の品種で構成される。
付氏への提案にセダム緑化は緑色一辺倒から四季彩キリンソウを使い
デザイン緑化を自社の特徴にすれば他社と異なる緑化を同額で提供できるのではないかと提案する。
深圳は亜熱帯に近く雨期と乾季が有る。薄層緑化では日本と同じくセダム類が多用されている。
中でもツルマンネングサと大型のキリンソウ類を中心に混植して使用されている。
これでは耐候性は充分保証されるが、景観的には重視されていない。
セダム系植物で問題となる乾季は、日本の冬季に当り気温も下がるので潅水装置が無くとも生き延びると判断できるが
標準方式は潅水付き緑化システム仕様のため強く勧めなかった。
しかし、自社で作成したトレーを使った緑化も可能であるが、中国の共産主義システムでは緑化受注時の許認可が果たして問題なく進むかの保証が無い事を考えれば、上海海纳迩建筑科技有限公司の潅水付き緑化システム仕様を使って植物で独自性を全面に出した緑化方式で営業する事を推薦した。
中国で使われているセダム類、屋上緑化用植物を見ると緑一辺倒であり、
マンネングサ種に関しては日本ほど種類が多くなくツルマンネングサとメキシコマンネングサ以外は遭遇しなかった。
黄色、白色の葉物は利用されていない。
この点をアピールに多色の四季彩キリンソウを混ぜて使用するデザイン緑化を付総経理に勧めた。
世界初のタケシマキリンソウの黄緑種、白緑種が世界に広まる事に夢が膨らむが、
日本の種苗登録申請品種を海外で使用するにあたり、違法使用の拡散を防ぐかが大きな問題となる。
中華人民共和国 深圳マンションで使用されているセダム緑化








屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
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