「SBT」の解説
SBTとは、パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のこと(引用:環境省「SBT(Science Based Targets)について」)です。「Science Based Targets」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「科学的根拠に基づく目標」という意味になります。年間4.2%以上の温室効果ガス削減を目安とし、5~10年先の目標を設定します。
SBTが削減対象としているのは、「サプライチェーン排出量」です。サプライチェーン排出量の削減では、事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係があるあらゆる項目からの温室効果ガスの排出量削減を目標としています。サプライチェーン排出量は、「Scope1排出量
+Scope2排出量+Scope3排出量」で算出することが可能です。
Scope1は燃料の燃焼や工業プロセスなど事業者自らが排出している温室効果ガス、Scope2は他社から供給された電気や熱・ガスを使用するときに排出される温室効果ガス、Scope3はScope1・Scope2に該当しない間接排出のことを指します。Scope3は原材料の調達、商品の輸送・配送、従業員の通勤など15種類のカテゴリが設けられており、それぞれの数値を算出する必要があります。
審査を通過してSBT認定企業になると、パリ協定に整合する持続可能な企業であることを投資家・顧客・サプライヤー・社員などに分かりやすくアピールできます。持続可能な企業であることをアピールメリットは、企業に対する評価の向上、リスク低減、顧客を獲得する機会の増加などです。SBTの設定はCDPの採点等でも評価されるため、投資家からの投資の呼び込みにも効果が期待できます。