「EuP指令」の解説
EuP指令とは、エネルギー使用製品に対して環境へ配慮することを義務付けたEUの規定のことです。英語の「Energy-using Products」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「エネルギー使用製品のエコデザインに関する枠組み指令」と訳せます。2005年8月11日に発行され、EUに加盟している各国の国内法規になりました。
EuP指令は、「エネルギー使用製品の製造・流通・使用・使用済み製品の廃棄管理といった一連の流れのうち、環境に及ぼす影響の8割以上は製品設計の段階で決まる」という考え方に基づいて定められています。EU加盟国でエネルギー使用製品に対して共通した要件を導入することや、製品に使用するエネルギーの効率化と環境負荷の軽減などにより、エネルギー問題と地球温暖化に対応することを目的としています。
EuP指令の発行後は、エネルギー使用製品を9つの分野に分け、それぞれに実施措置を設けて義務化を開始しました。9つの分野とは、家電やオフィス機器、単純なセット・トップ・ボックス、一部の照明器具、非方向性住宅用ランプの照明、外部電源装置、電気モーター、一部のサーキュレーター、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫です。日常生活で身近なものにも、EuP指令に該当する製品が含まれています。
9つの分野の実施措置が定められた後も、対象となる製品分野の種類は増え、企画段階から環境に配慮している製品の数は大幅に増加しました。輸出向けの家電を製造する日本企業でも、EuPに対応する動きが広まっています。