「COP」の解説
COPとは、締約国会議(英語:Conference of the Parties)のことです。「条約を締結した国々による会議」と言う意味で、さまざまな分野のCOPが存在します。現在は環境問題が世界的な課題であるため、「COP」と言えば国連気候変動枠組み条約の締結国による会議という意味で使う機会が多い傾向にあります。
国連気候変動枠組み条約の目標は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることです。1992年にリオデジャネイロ(ブラジル)で開催された地球サミットで国連気候変動枠組み条約の署名が開始し、1995年にベルリン(ドイツ)で第1回締約国会議(COP1)が開催されました。京都議定書は1997年のCOP3、パリ協定は2015年のCOP21で採択されています。
新型コロナウイルスの流行期を覗き、国連気候変動枠組み条約のCOPは年1回のペースで行われています。2021年にグラスゴー(イギリス)で開催されたCOP26ではグラスゴー気候合意を採択し、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える努力を追求することを宣言しました。パリ協定で定められた1.5度はあくまでも努力目標という位置付けでしたが、グラスゴー気候合意により世界基準の明確な目標として強化されました。
COP26で発表した宣言の内容のうち、日本の課題になり得るのは石炭火力です。COP26の議長国であるイギリスは、先進国は2030年、途上国は2040年までに石炭火力を完全に撤廃するよう求めています。しかし日本は2030年の石炭火力が占める割合を19%としており、COP26の目標を達成するための努力が期待されます。