「BCP」の解説
BCPとは、「Business Continuity Plan(事業継続計画)」の頭文字を取った言葉です。テロ・災害・システムの不具合・不祥事といった非常事態に陥っても、企業が重要な業務を遂行できるよう段取りや戦略を決めておく計画のことを言います。特に中小企業は非常事態に直面した際、人員削減や廃業を余儀なくされることもあるためBCPの策定は重要です。
BCPはSDGsにも関連しており、グローバル指標の「11.住み続けられる街づくりを」と「13.気候変動に具体的な対策を」に寄与できると考えられています。11の実現には災害時の被害の削減や短時間で復旧できる環境、従業員を守れる強い建物などが欠かせません。また13の達成には日頃から従業員に非常時の行動パターンを徹底し、設備の定期的な点検や整備が必要不可欠です。
日本では2011年に発生した東日本大震災でBCPの重要性が注目されるようになり、2015年に国連でSDGsが採択されたことでBCP実現に向けた動きが活発化しています。実際に企業では、防災・BCPシートを作成したり予備電源を用意したりして対策するところも。再生可能エネルギーによる電力自給を試みる企業もあり、非常事態の発生への対策が進んでいます。
BCP対策では、非常事態が発生した際に事業にどれほどの影響が出るかを洗い出すことが大切です。影響の大きさと最低限欠かせない業務や人的リソースを見比べ、対策を練っていきます。完成した対策法は計画書に落とし込んで従業員に周知し、非常時は企業が一体となって事態の解決に当たれるよう心がけることが重要です。