「APP」の解説

APPとは、地球温暖化に対処するための国際的な枠組みのことです。英語の「Asia-Pacific Partnership for Clean Development and Climate」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ」と訳せます。参加国は、日本・アメリカ・オーストラリア・中国・韓国・インドの6カ国です。

APPは2005年7月28日に、京都議定書を補完する枠組みとして設けられました。少数の主要排出国で政府・民間を問わずパートナーシップを築き、技術協力に関するプジェクトの実施を目的としています。鉄鋼・セメント・再生可能エネルギーなど8つのタスクフォームが設け、それぞれの分野で環境への優しさと効率性を両立した技術の普及活動を進めています。

京都議定書は温室効果ガス削減の数値目標を定めているトップダウン方式であるに対し、APPはクリーンかつ効率的な技術を導入するうえでの障害を軽減するボトムアップ式であるのが特徴です。APPにより、京都議定書では温室効果ガスの排出量削減義務を負っていない国に対して他国が技術協力をし、地域の発展を促しつつ環境にも配慮できるようになりました。

APPの難点として挙げられるのは、排出量を規制する枠組みではないため、具体的にどのくらいの温室効果ガスの排出量を削減できるかが不透明なことです。加えて、温室効果ガスをよく排出する自動車が、技術協力の項目から漏れています。APPはあくまでも京都議定書を補完するために設けられた枠組みであるため、必要に応じて適切な対応を取ることが求められます。