「AIMモデル」の解説
AIMモデルとは、アジア太平洋地域から排出される温室効果ガスの予測や、気候変動による影響などを分析するために作られたコンピュータシミュレーションモデルの総称のことです。英語の「Asian-Pacific Integrated Model」の頭文字を組み合わせた言葉で、日本語だと「アジア太平洋統合評価モデル」とも言われています。
AIMモデルはアジア太平洋の経済発展に伴い温室効果ガスの排出量も増加していたことを受け、国立環境研究所と京都大学の松岡教授が中心となって1990年代に開発が始まりました。対策を誤ると将来的にアジア太平洋地域だけで地球全体の温室効果ガス排出量のうち約半分を占める可能性があったため、各国の政策決定者や専門家と円滑にコミュニケーションを取れるシステムの開発が求められたのです。
AIMモデルでは主に温室効果ガス排出モデル・グローバル気候変動モデル・気候変動影響モデルを軸にして、制作の評価や将来予想、環境政策の策定に役立つ情報の提供などを行っています。当初は京都大学やみずほリサーチ&テクノロジーズが中心となっていましたが、活動の幅を精力的に広げ、中国・韓国・東南アジア諸国の大学や研究機関との協定を結び、ネットワークを拡大しています。
1995年以降は毎年1回のペースで国際ワークショップを開催して、最新の研究結果の発表を実施するようになりました。2002年からは人材育成にも力を入れるようになり、アジア太平洋地域の持続的な発展と環境問題の解決に貢献しています。