「卒FIT」の解説

卒FITとは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度（通称：FIT制度）」の契約期間の満了を迎えることです。FIT制度では、家庭に設置されている太陽光発電の場合、買取期間が10年と定められています。FIT制度が開始した2009年から10年経過した、2019年より「卒FIT」という表現が使われるようになりました。

FIT制度の魅力は、買取期間中は通常より高い価格で電力を買い取ってもらえるところです。しかし卒FITを迎えると、現状維持を続けるか、売電する電力会社を切り替えるかの選択をしなければなりません。

現状維持を続ける場合は、今の電力会社にそのまま電力を売ることになります。契約変更等の手間がかからないのがメリットですが、売電価格が下がりやすいことは留意しておきましょう。FIT制度が開始した2009年は1kWhあたり48円で売買されていましたが、2022年には1kWhあたり17円になっています。

売電する電力会社を切り替える場合は、電力会社選びが重要です。会社によっては大手よりも良い値段で電力を買い取ってくれるため、家計の助けになるほどの売電収入を得られます。しかし大手より良い条件だったとしても、売却価格が下落傾向であることは覚えておきましょう。

電力の売却を継続するか否か以外に、卒FIT後は自宅に蓄電池を導入し、不測の事態に備えるという選択肢もあります。蓄電システムの導入にお金がかかりますが、条件を満たせば政府や自治体からの補助金を受け取れるため、比較的気軽に設置することが可能です。