「マイクロプラスチック」の解説
マイクロプラスチックとは、5mm以下の微細なプラスチックごみの総称のことです。プラスチックが自然に分解されることは基本的に起こり得ないため、海域を中心に長期的に滞留し、蓄積していくと考えられています。ペットボトル・人工芝・衣料製品・電気製品などがマイクロプラスチックの発生源として挙げられます。
マイクロプラスチックは、捨てられたごみが風雨によって川を通って海へ流れ込み、波によって砕かれたり紫外線によって分解されたりして発生します。マイクロプラスチックの種類は大きく2種類あり、一次的マイクロプラスチックは工業的に小さく製造されたもの、二次的マイクロプラスチックは海を漂流する製品が時間をかけて小さなプラスチック片になったものです。
ひとつひとつは5mm以下ととても小さいマイクロプラスチックですが、小さすぎるがゆえに回収が困難なうえ、完全に分解されることはなく海に蓄積され続けるのが問題として挙げられています。放置していると生態系に影響を及ぼすだけでなく、漁業の衰退や健康被害の発生といった悪循環に陥る可能性があるため、問題の解決が急務となっています。
問題の解決に向けて、2019年に開催されたG20大阪サミットでは、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロに抑えることを目指すことが定められました。家庭ではごみ出しのルールを守る、ポイ捨てせずに持ち帰るなど、さまざまな対策ができます。必要に応じてリサイクル業者や専門の回収業者なども利用し、プラスチックごみを減らすことがマイクロプラスチックの削減にもつながります。