「デマンドレスポンス」の解説
デマンドレスポンス (Demand Response)とは、普段電力を使用している「需要家」という立場の人が、電力を使用するタイミングや量を調整することで、電力需要のパターンを変化させることです。電力会社ではあらかじめ電力計画を作って発電量を調整しており、電力を最大限有効に活用するためにデマンドレスポンスはとても重要です。
電力会社では万が一に備え、発電する力に余裕を持たせたり、余った電力を有効活用したりもしています。しかし再生可能エネルギーの普及や、各家庭への太陽光発電・蓄電池システム等の導入の促進により、現在は発電量の変動が大きくなっています。電力会社だけでは需要と供給のバランスを取るのが難しくなりつつあるため、需要者も協力するデマンドレスポンスという考え方が生まれました。
デマンドレスポンスの一例としては、電力がひっ迫しやすい季節・時間帯は使用量を抑え、需要量を抑えることが挙げられます。また春・秋のように発電量は多いけれど需要が少ないときは、日中に電気自動車や蓄電池に充電し、電力を必要とする時間帯をずらすことで需要と供給のバランスの維持に役立ちます。
もともとデマンドレスポンスは工場や企業で行われており、工場の稼働時間や製造ラインを止めるタイミングを調整していました。そして近年、再生可能エネルギーの拡大や家庭用の発電機・蓄電池の普及により、さらに電力ネットワークが分散するようになったため、各家庭にもデマンドレスポンスの実施が求められるようになりました。
電力会社のなかには、家庭向けのデマンドレスポンスメニューの紹介やキャンペーンを実施しているところも見られます。節電量に応じてポイントやギフト券がもらえるものもあるため、参加する家庭が増加しつつあるようです。