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キリンソウと四季の彩り日記屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正

8”化学突然変異育種 実験講座”7 根の変異2:タケシマキリンソウの自然種と突然変異種の違い

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キリンソウの根の形状で自生環境を推測
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前節では地下部分の”根”の変異について自然種の自然環境の生育場所について見てきたが、本節では環境別に実際に掘り起こして、タケシマキリンソウ原種系種と突然変異種の発根状況を観察してみよう。

 

タケシマキリンソウは海岸部の岩場や岩のくぼ地、道路側面の土溜まりの土壌層数センチの場所が多いと解説した、このような場所で生育するに最大の問題は水分の確保である。機構的にCAM構造で水分保持に対応していても根の役割は重要である。

 

根を主根中心型と細根中心型に分けると、地上部の草姿に比例する。

主根中心型根系:直立型     =大型種 =比較的大型葉=枝数:小~中

細根中心型根系:開帳型・ほふく型=中小型種=中~小型葉 =枝数:中~多

 

タケシマキリンソウ砕石土生育株

根は太く6mm以上に太く地表から40cm範囲に数センチ深さで広がっている

 

地上部草丈は40cm程度

 

タケシマキリンソウ鉢栽培根系

鉢で屋上緑化用軽量土で栽培すると太さは6mm程度が下に伸長している

原種系のタケシマキリンソウ、交配4されたタケシマキリンソウでは根系は主根系の

6mm程度の太さを持った根が多数発生して草姿を維持する事が確認できる

 

タケシマキリンソウ2年苗の薄層緑化(通常の屋上緑化)での発根状況

 

落葉性キリンソウ2年苗の薄層緑化(通常の屋上緑化)での発根状況

 

突然変異種

突然変異にて作出された矮性種では、細根が主で主根は少ない

地上部は10cm代と低いが、株あたりの枝の密度は高い

細根は太さ数mm、長さは10cm程度

 

2年苗の薄層緑化(通常の屋上緑化)での発根状況

 

根の形状は草姿の維持のみならず、耐候性にも大きく影響していると考えられる。

本来枯れる環境でない場所で、枯れが発生する場合根系の違う品種に切り替えると

緑化を維持し景観を保つことも有るのでぜひ参考にして頂きたい。

 

次回 ”化学突然変異育種 実験講座”8 茎の変異

:キリンソウ緑化の欠点=「枝刈りメンテナンス」が不要となる突然変異種

”茎”について解説する。

特に市販キリンソウ・種苗登録常緑キリンソウ・タケシマキリンソウ及びこの交配選抜品は直立性が多く、本来のほふく性は出現しない傾向にある。

しかし、突然変異技術を応用すると、茎の変異も多く出現し、

キリンソウ緑化の最大の問題「枝刈りメンテナンス」が不要となる矮性種を作出できる。

”枝”の矮性化は、キリンソウ緑化のコスト削減の切り札となる。

隠れた重要な改良項目であることを承知の上で見ていただきたい。

質問等はメール:yukistr@oboe.ocn.ne.jp 受付けている.

 

当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。

試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。

 

東京都市大学 総合研究所 客員研究員 山下律正

連絡先:yukistr@oboe.ocn.ne.jp

問合せは、“化学突然変異の件”とタイトルを付けてください

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