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壁面緑化設計ノート屋上緑化システム株式会社
技術顧問 山下 律正
バラを使った壁面緑化の Q&Aマニュアル <施主への説明用Q&A 設計事務所担当者編>
<施主への説明用Q&A 設計事務所担当者編>


ビギナー向けバラ緑化の仕方から建築設計担当者向けた解説まで、壁面緑化で起きるQ&Aを場面ごとに解説します。
※知見・知識に基づき作成していますが、参照・実施にあたっては情報・環境・使用材料・品種・時期等により同一結果とならない場合があります。
<施主への説明Q&A 設計事務所担当者編>
意匠性の高い建築(デザイナーズビル、ブランド店舗、ハイグレードな商業・オフィスビルなど)を手がける建築設計者や提案書担当者が、施主(オーナー・デベロッパー)に対して、「メンテナンスコストという『支出』を遥かに上回る魅力に映る建築の『資産価値向上・ブランド効果』というメリット」を判りやすく説明し、施主が不安に思う質問の回答例として作成しています。
目次
1:多くの実績があるパネル式壁面緑化と比べ、なぜわざわざコストをかけて「バラ」を選ぶ必要があるのですか?
2:維持管理費(剪定・薬剤散布・自動灌水など)が毎年かかります。コストに見合う経済的なリターン(実利)は本当にあるのですか?
3:バラは「病気や虫が多くて管理が大変」というイメージが強いです。すぐに枯れて無残な姿になり、ビル全体のイメージを損なうリスクはありませんか?
4:近年、企業にはESG投資(環境・社会・ガバナンス)への配慮が求められています。バラ緑化はこの評価に繋がりますか?
5:冬場に葉が落ちて「枯れ枝だけ」になり、意匠性の高い建築の美観を損ねるのが心配です。
6:施主プレゼンを成功させる「決め台詞」(まとめ)
壁面緑化植栽ガイド 壁面緑化で使用される植物の種類と特徴を写真解説付きで解説
壁面緑化のあらゆる疑問を解説したブログ
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1質問:多くの実績があるパネル式壁面緑化と比べ、なぜわざわざコストをかけて「バラ」を選ぶ必要があるのですか?
回答: 単に条例を満たすための「緑の面積(点数稼ぎ)」ではなく、「建築そのものをメディア(広告)化し、圧倒的な集客力と認知度をもたらすランドマーク」にするためです。 バラの壁面緑化は、開花期に圧倒的な色彩と立体感、そして「香り」を放ちます。これは一般的なグリーンパネルでは絶対に不可能な、人々の五感に訴えかける空間演出です。現在、SNS(Instagram等)での「映える建築」としての拡散効果は、数百万円の広告費を投じる以上のブランド価値(広報効果)を生み出し、テナントの入居率向上や店舗の売上直結という形で投資を早期に回収します。実績の多いパネル式壁面緑化では、使用される植物が同じとなり、希少性・特異性・斬新さが生まれない。
引用・参照:
・日本造園学会誌『ランドスケープ研究』:「建物緑化の社会的便益費用の把握に関する研究」
・日本造園学会誌『ランドスケープ研究』:「都市緑化による商業施設の集客・ブランド向上効果に関する実証分析」
要約: 緑化の質(意匠性・季節感)が高い施設ほど、来街者の滞在時間が平均20〜30%延び、施設の認知度や再訪意向が有意に高まることを関連図けて報告。
・東京ベイeSG まちづくり戦略 2022
2質問:維持管理費(剪定・薬剤散布・自動灌水など)が毎年かかります。コストに見合う経済的なリターン(実利)は本当にあるのですか?
回答: はい、十分にあります。メンテナンス費は「消費」ではなく、「建物の長寿命化」と「空調省エネ(電気代削減)」をもたらす投資です。
バラ緑化と同等の景観を作り出す高級路線の壁面緑化は同等の維持管理費(剪定・薬剤散布・自動灌水など)が毎年かかります。異なる点は、バラ緑化は育て上げる景観あるのに対し、高級路線の壁面緑化は植物を入れ替えながら景観維持を目指す方法で、当然その費用が追加となります。バラ緑化はランニングコストで安くなります。
建築に対しては、 夏の直射日光を浴びるコンクリート壁面は60℃以上に達し、熱伸縮によってクラック(ひび割れ)や外壁塗装の劣化を早めます。バラの豊かな葉が壁面の手前で日射を遮る「遮光効果」と、植物の「蒸散作用」による気化熱冷却により、外壁の表面温度を10℃〜15℃も引き下げます。これにより室内の冷房負荷が大幅に削減され、さらに構造体の熱劣化を防ぐため、将来の大規模修繕費用(防水・外壁補修)を大きく繰り延べることが可能です。
引用・参照:
・国土交通省国土技術政策総合研究所:大規模壁面緑化にる都市環境改善効果把握
関連資料:環境省:「ヒートアイランド対策ガイドライン(建築物外皮の熱収支マネジメント)」
3質問:バラは「病気や虫が多くて管理が大変」というイメージが強いです。すぐに枯れて無残な姿になり、ビル全体のイメージを損なうリスクはありませんか?
回答: ブランドイメージを追求するには、管理に精通したメンテナンス会社とメンテナンス契約が必要です。建築緑化に使用するバラ品種は、科学的に選別・開発された「超耐病性・超耐候性品種」を使用するため、致命的な美観損壊リスクは極めて低いですがメンテナンスは必要です。 最新の品種(「ノックアウト」シリーズや、突然変異技術等で強靭な細胞構造を持つ品種)は、うどんこ病や黒星病に対して遺伝子レベルで強い耐性を持っています。
また、<バラ緑化のQ&A> 32質問:コンクリート壁やRC造の屋上・バルコニー付近に植えたバラが、夏場に葉焼けを起こして急激に衰退するのはなぜか? <技術編> 壁面バラ緑化 専門管理Q&A 1:壁面バラ緑化で最も失敗が多い原因は何ですか? 7:壁面バラで点滴灌水は有効ですか?で実証されているように、「風通しを確保するフレーム設計」と「タイマー式の点滴灌水」を建築側であらかじめシステム化することで、人間の手がかかる管理を最小限に抑えつつ、常に健康で美しい壁面を維持できるよう設計します。
また、ヘデラ、クレマチス、などの品種を混植やストライプ配置する事でイメージ変化を最小化する方法も有ります。
引用・参照:
・農林水産省 植物防疫課 / 各県農業試験場:「耐病性バラ(PVP品種)の環境適応性と省管理型緑化に関する試験報告」
関連資料:東京都「壁面緑化ガイドライン」
要約:緑のカーテンやつる植物による壁面緑化の効果、設計・維持管理の要点を整理
4質問:近年、企業にはESG投資(環境・社会・ガバナンス)への配慮が求められています。バラ緑化はこの評価に繋がりますか?
回答: 非常に強力なアピールになります。 現在の不動産市場において、環境性能評価(CASBEEやDBJ Green Building認証、LEED認証など)は、ビルの資産価値やテナント賃料(プレミアム賃料)を左右する決定的な指標です。壁面緑化、特に生物多様性に配慮し、都市の微気候を改善するバラの立体緑化は、これらの認証において高い加点対象となります。「環境を大切にする企業・オーナー」としての社会的ステータス(コーポレートイメージ)を視覚的にこれ以上なく雄弁に象徴するため、ESG投資を重視する国内外の優良企業(グローバルテナント)を誘致する上で、競合ビルに対する圧倒的な優位性となります。
引用・参照:
・一般建築財団法人 建築環境・省エネルギー機構(IBEC):「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)評価基準・解説書」
要約: 敷地内および「建築物外観(壁面・屋上)」の緑化は、熱環境の緩和、生物多様性の保全(街区の生態系ネットワーク形成)の項目において直接的な加点対象となる。
5質問:冬場に葉が落ちて「枯れ枝だけ」になり、意匠性の高い建築の美観を損ねるのが心配です。
回答: つるバラの冬の姿は「枯れ姿」ではなく、高名な庭園のように計算された「美しい線形デザイン(グラフィックアート)」として建築を引き立てます。 落葉後の冬の期間、綺麗に剪定され、整然と幾何学的(または有機的)にワイヤーに誘引されたバラの鋭い枝のラインは、モダン建築のファサード(外観)において、冬にしか現れない極めてコンセプチュアルな「陰影」を壁面に落とします。そして春にはそこから一斉に新芽が吹き出すという「劇的なストーリー(劇的変化)」そのものが、建築に生命感を与え、街の人々に季節の移り変わりを告げるアートとして機能します。
冬に花は咲かない既存観念を覆す冬季に花で飾り、建築価値を高める事も可能になります。冬期に花を咲かす冬咲クレマチスを混植すると、冬季にも緑葉と花で美しい景観で飾る事ができます。この緑化の組合せは実施例が少ないので希少性の価値観も向上します。
参考資料:屋上緑化システム株式会社 HP壁面緑化設計ノート: 純白のクレマチスが描く、清楚で気品あふれる壁面景観
6:施主プレゼンを成功させる「決め台詞」(まとめ)
「オーナーの立場で壁面緑化の資産効果を評価すると、通常の高級壁面緑化(グリーンパネル)は、設置した瞬間が『美しさのピーク』であり、あとは劣化と戦うだけです。 しかし、バラの壁面緑化は違います。年を追うごとに幹が太くなり、建築の歴史とともに風格と価値が『成長していく』生きたブランド資産です。毎年かかるメンテナンスコストは、このビルの『独自のブランド価値』を磨き続け、周囲のコモディティ(平凡な)ビルとの賃料格差を維持するための、最も確実な投資なのです。」
壁面緑化を価値の創造ブランドとして利用する場合、メンテナンスコストはどの方式の緑化システムを使っても必ず必要になります。たとえば多く実施されている高級壁面パネル式では、植物の痛み・成長バラツキ・意匠の切り替えで、植物の入れ替えが高頻度で必要となり想定外の高額の維持管理費になる事も有ります。比べ、壁面バラ緑化に係るコストは、剪定を中心とした造園業者の作業工数であり、意匠の指示・管理の仕方を指示できる自由度が高くコスト管理が判りやすく、経年で価値が向上するメリットが有ります。
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